口切の茶事

2011年11月3日・4日・5日 横須賀教室

11月3日文化の日、今日はあちらこちらで文化祭、学園祭、はたまた七五三など数々のお祝い事が行われた日でしょう。

私は、お茶のお正月にあたる「口切の茶事」の稽古に伺いました。

床の間に「眉寿萬年」の軸と茶壷が飾られ客をもてなします。 壷飾りの嗜好となり、丹波焼きの四つ乳付き壷に今年のお茶の葉が詰められています。 正客より壷所望され、床の間の茶壷を手前坐まで、運び口紐を解き、拝見に出します。

拝見後、正客へ「どのお茶を希望されるか」を伺います。 この時、一番良いお茶の次を所望するのが恒例となります。亭主は了承し茶壷を持って下がります。 しかし、亭主は極上の「展茶」を濃茶をもってお持て成しをするのです。

半東はこの茶壷から天茶を出し、茶事の間中石臼で引き濃茶を用意します。 この辺りの恒例的やり取りは「いかにも○都」と言う感じがします。この後は通常のお茶事の手順となり初炭、会席、濃茶、薄茶の順でもてなします。

懐石のメニューは秋のご馳走のお祝い尽くしで、鯛の塩釜焼き、松茸のすき焼き、柿なまずなどなどとっても美味しくいただきました。

さて、その後茶壷はどうなったかと言うと封を切った後は、朱色の紐飾りをつけ丁重に飾られます。 1本の長い紐を使って型作ります。

床の間の正面に置く場合、「真の紐型」 両わな結び
(もろわなむすび)

上座(この場合右側)の壷肩に「行の紐型」 総角結び
(あげまきむすび)

下座(この場合左側)には「草の紐型」 淡路結び
(あわじむすび)

3本のながーい紐を使い、3種類の紐飾りを作る。

なぜ、そんなややこしい事めんどくさい事をするようになったのか?まだまだ勉強しなければならないことがたくさんあるな〜と実感した口切の茶事稽古でした。

2011.11.3 小杉宗鈴

広間
掛物:而妙斎 一行 眉寿萬年
香合:菊置 栗 了入造  風炉先:富士画賛
釜:天猫宝尽  炉縁:青海波
棚:蓬莱卓  水差:緑地金襴手
茶杓:鹿の角  茶器:秋唐草蒔絵 大棗
茶碗:萩 十二代休雪作  建水:車軸
蓋置:永楽 松の絵  菓子器:利斎造 惺斎箱

小間
花入:竹 一重切 如心斎 銘 乱
釜:みみずく 炉縁:桐木地
水差:朝日やき 十二代豊斎作
茶杓:銘 柴舟 如心斎共箱  茶器:古瀬戸 肩付
茶碗:玉子手  建水:曲
蓋置:竹  菓子器:緑高 芽張柳 即中斎好

懐石
向付:鯛黄?和え・山葵・花穂・三杯酢
汁:合せ味噌仕立・湯葉結び文・辛子
煮物:海老真薯・柚・三ツ葉
焼物:鯛塩釜  
預け鉢:松茸のすき焼・きぬさや
強肴:柿の白味噌和え きゅうり・菊・水菜・酢の物
小吸:そばの実
八寸:銀杏・もみじ・松葉・栗・いちょう 吹き寄せ
香の物:沢庵・蕪